はじめに
面白い文章を書きたい、と思ったことはありませんでしょうか?
私もそのひとりです。
『神・文章術』は今までの文章指南本とは少し違うアプローチで書かれた、はてなブログの読者登録数トップのブロガーであるフミコフミオさんによる文章術の本です。
私が好きなブログのひとつです。
私は弱小ブロガーではありますが、ブログを書き始めたのは2001年頃(当時のログが消えてしまって正確な年月がわかりません)で書くこと自体は昔から好きな方です。その経験をふまえて私なりの感想を書きたいと思います。
この記事を読むと書くことに対する新しい考え方を発見できるかもしれません。
・文章術に興味がある人
・著者に興味がある人
購入動機
著者のフミコフミオさんをブログ”Everything you’ve ever dreamed”を通じて知り、興味を持ったことが購入のきっかけです。
いくつか面白いと思ったポイントを紹介します。
「書き残す」ではなく「書き捨てる」
「どうすれば書けるようになるのか?」という問いへの答えは「書き捨てをしよう」であると著者は主張しています。やり方は文字通り紙にシャープペンやボールペンで思うがままに書いて、あとに残さないで捨てるという手法だそうです。著者は書き捨てによって、自分の立ち位置が明確になり、世界観が構築されたと述べています。
元マッキンゼーの赤羽雄二さんの『ゼロ秒思考』という本でも、A4用紙にテーマを決めて1分以内で書き出すという「メモ書きトレーニング」が紹介されています。
私も一時期「ゼロ秒メモ」をやっていた時期があったのですが、悩んでいることを書き出して自分の頭がスッキリした覚えがあります。今も頭の整理をするときは考えていることをひたすら書き出しています。余談ですが私は赤羽さんと1度お話する機会があったのですが、頭脳明晰でとても鋭い方という印象でした。
書くことで興味のないことを面白くする
「好きなもの」よりも「嫌いなもの」について書くと、新しい発見がある、「意味がない」「興味を持てない」と切り捨てていたもののなかにこそ、まだ見ぬ宝物がある、と本書には書かれています。書くことで自分を知り、自分に余裕を持つことで複雑怪奇な相手を受け入れられるようになったそうです。さらには余裕が余裕を生み、人生が楽しくなった、とあります。
私はどちらかというと嫌いなものごとは切り捨ててしまうので、この発想はありませんでした。嫌いなものごとについても深堀りすることで自分の人生がより豊かになる、さらには楽しくなるのであればやってみる価値はあると思います。今まで出会ったパワハラ上司や苦手な同僚などをもう少し観察して面白みを抽出していたら、苦痛が和らいでもっと楽しい日々だったかもしれません。
書けない理由をぶっこわす
「書ける人」と「書けない人」の違いはアンテナの感度で、日々の暮らしのなかにある小さな違いに気付いて、そこから意味を見出し、価値を感じ取れるか。それが、人生を充実したものにするか否かの違いだと本書には書かれています。
ブログをやっていると確かに日々の生活の中でネタを探すようになり、自分や自分の身の回りのことについての感度が以前よりも上がったような気がします。また、実際に書き出すことでその輪郭がくっきりとしてくる感覚を味わうことができます。さらに、そういったネタを書き留めておくことで、後でブログのネタとして使えるようになったものもあります。
書くことで人生を良いものにする
どんなことであれ、楽しさと、成長や結果といった実感を伴わないものは続けられない。書くことも同じだ。僕が書き続けている理由は書くことが楽しいから、そして「書くことが人生を良いものにしてくれている」という実感があるからだ、と著者は主張しています。
私もこの考え方は同感で、成長と結果、そして人生が良い方向に進んでいるという実感を持つことで日々の生活の充実を感じます。私にとってこれらの条件が当てはまるのはブログを書くこと、投資や節約で収入を増やすこと、あとはニンテンドースイッチのゲーム、スプラトゥーン2です。
まとめ
本書は300ページ超、約12万字のボリュームで著者の文章に対する考え方、文章の書き方が紹介されており、書くことについての独自の考え方が押し寄せるように展開されています。また、巻末には小説仕立てのまとめがあります(小説部分だけでも面白く、ためになります)。
書くことで自分を知り、他人を理解し、世界観を構築するという考え方によって、ブログの定型文や様式にとらわれていた自分に気づくことができました。もともと書くことは好きなのですが、仕事の悩みを解決する手段しての「書き捨て」をやりたくなりました。
書くことが苦手なひとだけでなく、書くのが得意な人、好きな人にもおすすめできる文章術本です。
最後までお読みいだたきありがとうございます。